翻訳サービスを利用したいものの、どんなサービスに依頼すれば良いか迷っている方も多いでしょう。翻訳サービスの特徴を理解せずに契約してしまうと、理想の作業が行えず、顧客からの信頼を失うこともあります。
翻訳サービスは大きく分けて2つです。翻訳者を自社に派遣してもらうオンサイト翻訳と、文章をそのまま翻訳会社に預ける請負翻訳サービス。この記事では2つのサービスの違いを徹底比較しています。
両者の違いを理解すれば、案件に合わせた最適なサービスを選択可能です。より案件を成功に近づけたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
“言語”だけでなく“想い”を翻訳する会社
目次
オンサイト翻訳と翻訳会社への依頼を徹底比較!
オンサイト翻訳と翻訳会社の特徴の違いは主に3種類あります。
オンサイト翻訳 | 翻訳会社 | |
作業の性質 | 翻訳者を自社に派遣 | 翻訳会社内で作業 |
セキュリティレベル | 自社内で完結可能 | 相手会社に依存 |
料金体系 | 時間単価 | 製作物ベース |
それぞれ順番に解説します。
作業の性質
オンサイト翻訳と翻訳会社では作業の性質が違います。案件への関わり方が双方で異なるからです。オンサイト翻訳の場合、翻訳者を派遣してもらって作業を行います。そのため定期的かつ長期で継続する翻訳案件に向いています。自社に翻訳者が滞在するので、高頻度の修正であってもスムーズに行えるのが特徴です。
一方、翻訳会社へ依頼する場合は、相手の翻訳会社内で作業を行います。翻訳会社内のリソースを自由に振り分けられるので、短期間で大量の翻訳が仕上がります。翻訳した文章のチェックも翻訳会社で行ってもらえるため、一定の品質が保たれるのが特徴です。
どのような案件を取り扱うかによって、オンサイト翻訳と翻訳会社を使い分けると良いでしょう。
セキュリティレベル
オンサイト翻訳と翻訳会社ではセキュリティレベルも変わります。翻訳作業を行う場所が違うからです。オンサイト翻訳は翻訳者が自社で作業を行うので、セキュリティレベルは自社と同じです。情報漏洩した際のリスクが高い機密文書も持ち出さずに作業が可能です。
翻訳会社へ依頼する場合は、依頼先の翻訳会社基準のセキュリティレベルになります。ある程度高いセキュリティは期待できますが、機密文書など自社からの持ち出しができないものは作業が困難です。また情報漏洩のリスクを完全に排除することもできないでしょう。
案件のセキュリティレベルに合わせて、オンサイト翻訳と翻訳会社を選ぶ必要があります。
料金体系
オンサイト翻訳と翻訳会社では、料金体系も違います。何に対して支払いを行うか、明確な違いがあるからです。オンサイト翻訳では、翻訳者を派遣してもらった期間に対して支払いを行います。派遣翻訳者の時間単価とその期間で料金が決定するのです。
翻訳会社へ依頼する場合は、翻訳作業の量に対して支払いを行います。短期間に多くのリソースを必要とする案件では、オンサイト翻訳よりも時間と費用がかからないのが特徴です。とくに多言語を短期間で翻訳する必要がある場合は翻訳会社に依頼すると良いでしょう。
翻訳作業によってオンサイト翻訳と翻訳会社のコスパは変わります。
徹底比較①オンサイト翻訳に依頼するメリット
オンサイト翻訳に依頼するメリットは4点あります。
- 翻訳者と密に連携が取れる
- スピード感のある翻訳ができる
- 自社から出せない文書の翻訳ができる
- 優秀な翻訳者を長時間確保できる
これらのメリットが翻訳したい状況に合致していた場合は、オンサイト翻訳に依頼するのがおすすめです。
翻訳者と密に連携が取れる
翻訳者が自社に派遣されるので、密に連携を取れます。例えば下記のような状況に置かれることが想定される場合、オンサイト翻訳を選択するのがおすすめです。
- 原文の修正や追記が多々発生する
- 翻訳文の方向性のすり合わせが複数回必要がある
- 業界用語や事業背景を正確に理解してもらう必要がある
- 案件に関する質問が次々に発生しうる
- 翻訳者に直接指示をした方がスムーズである
翻訳者が自社に派遣されていることで、逐一打ち合わせができます。社外の組織に都度発注をかけるよりも、柔軟な対応が期待できるでしょう。
このような状況で翻訳会社に依頼していた場合は、事あるごとに問い合わせが必要になり作業が煩雑になる可能性があります。作業量が増えてしまった場合は追加費用の支払いも必要です。
翻訳者と密に連携を取りたい案件では、オンサイト翻訳を選択しましょう。
スピード感のある翻訳ができる
オンサイト翻訳では、スピード感のある翻訳ができます。自社内に翻訳者がいるので、煩わしい契約など行わずに翻訳してもらえるからです。
例えば情報更新のスピードが早い文書を翻訳する場合や、定期的に翻訳を要する文章が発生する場合は、スピード感が重要です。毎回翻訳会社へ依頼するのは時間がかかります。しかし自社に翻訳者がいる場合は、契約の書類など準備することなく翻訳を依頼できるでしょう。
すぐに翻訳したい場合は、スピード感のあるオンサイト翻訳を選択するのがおすすめです。
自社から出せない文書の翻訳ができる
オンサイト翻訳では、自社から出せない機密文書などの翻訳も可能です。作業を閉鎖された環境で完結できるので、情報漏洩のリスクが限りなく抑えられます。
例えば自社内のネットワークシステム内の文書であったり、自社内に用意された特殊な環境であったりした場合、社外で翻訳を行うのは現実的ではありません。
また翻訳会社に依頼した場合はセキュリティを相手にゆだねることになります。翻訳会社もセキュリティには細心の注意を払っていますが、人為的なミスは避けられないでしょう。過去には派遣会社の社員が、機密情報の入ったUSBやノートパソコンを無くした事件もありました。
もしも翻訳会社に依頼し情報漏洩してしまうと、企業のイメージダウンになりかねません。自社から出せないセキュリティレベルの高い案件の場合は、オンサイト翻訳を選択するのが賢明です。
優秀な翻訳者を長期間確保できる
優秀な翻訳者を長期間確保できるのも、オンサイト翻訳のメリットです。優秀な翻訳者は他社からもオファーがあり、依頼したいタイミングでスケジュールが確保できないことも多いからです。
例えば翻訳の度に担当者が変わった場合、同じ品質の翻訳で仕上がるとは限りません。翻訳の質が途中で落ちてしまえば、、納品先のクライアントからも不信感を抱かれてしまいます。
しかし翻訳者を案件に必要な期間確保できた場合は、常に安定した品質の翻訳が可能です。長期案件の継続案件でクライアントからの信頼を得たいのであれば、オンサイト翻訳を選択しましょう。
ただし、派遣者の時間単価と就労時間で支払いをするので、翻訳業務のない手が空いた時間はお金の無駄になります。翻訳者の前後の業務をスケジューリングして、無駄のない依頼を行いましょう。
徹底比較②翻訳会社に依頼するのメリット
次に翻訳会社に依頼する場合のメリットを紹介します。
- 安定した高い品質の翻訳が期待できる
- 作業内容によって料金を調整できる
- 納期が短く不定期な案件に対応できる
- 翻訳会社基準のセキュリティが期待できる
それぞれ順番に解説します。
安定した高い品質の翻訳が期待できる
翻訳会社に依頼した場合、どんな案件でも安定した高い品質の翻訳が期待できます。オンサイト翻訳と違い、翻訳を担当するのは1人ではないからです。オンサイト翻訳ではひとりの担当者が翻訳を行うので、得意分野以外の翻訳では作業品質が下がる傾向にあります。
しかし翻訳会社に依頼すれば複数の翻訳者が自分の得意分野を活かして翻訳します。仕上げや品質チェックも分担して行うので、確認作業の品質も高いです。翻訳のクオリティは会社基準の品質管理に基づくため、全体的に安定した高い品質の翻訳が期待できます。
多言語の翻訳を安定した品質で行いたい案件では、翻訳会社に依頼すると良いでしょう。
作業内容によって料金を調整できる
翻訳会社に依頼する場合、作業内容によって料金を調整可能です。オンサイト翻訳のように期間に縛られた料金体系ではないからです。
翻訳者の空き時間が無駄なコストにならない点は大きなメリットといえるでしょう。翻訳会社への依頼は原文の文字量による契約となるので、支払額を抑えられる可能性があります。
例えば長期案件や継続案件の場合は、優秀な翻訳者を確保し品質を保つ必要性があります。しかし単発の翻訳案件であれば、翻訳者を確保しておく必要はありません。案件が終わればそこで翻訳作業も終了だからです。
単発で大量の翻訳など翻訳者の確保が必要でなければ、翻訳会社に依頼する方が良いでしょう。
納期が短く不定期な案件に対応できる
翻訳会社に依頼すれば納期が短く不定期な案件に対応できます。翻訳作業に何人もの翻訳作業者をつけられるからです。
例えば短納期の場合、翻訳者を派遣してもらっても1人では翻訳が終わらないことだってあるでしょう。しかし、翻訳会社の場合は翻訳に人数がかけられるので、短納期に大量の翻訳が可能です。
その都度契約する必要性はあるものの、翻訳作業が不定期に発生する場合も柔軟に対応できます。納期が短く不定期な案件がある場合は、翻訳会社への依頼の方がスムーズでしょう。
翻訳会社基準のセキュリティが期待できる
翻訳会社に依頼をする際は、セキュリティの管理は翻訳会社の基準となります。セキュリティに対して信頼できる翻訳会社であれば、安心して翻訳作業を依頼可能です。プライバシーマークを取得している企業であれば、非常に高いセキュリティレベルを期待できるでしょう。
翻訳の質はもちろんですが、原文や翻訳文のセキュリティレベルも顧客にとっては大事な信頼度を図る物差しです。セキュリティレベルを持った翻訳会社ととりひきしているのであれば、翻訳を依頼する側はもちろん、クライアントにも安心してもらえる材料となるでしょう。
まとめ
オンサイト翻訳と翻訳会社に依頼する際のサービスの違いを徹底比較しました。
オンサイト翻訳は長期継続案件や、定期的な翻訳作業を依頼する場合に向いています。一方で翻訳会社に依頼するのは、短期案件に大量の翻訳を行う必要がある案件が望ましいでしょう。
どちらの翻訳サービスにもメリットがあるので、翻訳業務の状況に合わせて選ぶのがおすすめです。最適な翻訳サービスの選択で、顧客からの信頼向上やビジネスチャンスの獲得に繋げましょう。
ワイズ・インフィニティではインサイト翻訳、請負翻訳の両方を承っています。長期間の継続案件となりやすいオンライン会議での通訳やグローバルな現場での同時通訳、短期間で多言語の翻訳を済ませたい書類や映像の翻訳など、さまざまなジャンルで実績があります。
案件の特徴に合わせた翻訳サービスを検討されている方は、ぜひお気軽にご相談ください。
“言語”だけでなく“想い”を翻訳する会社