この数年、ナレーション制作への注目度は上がる一方で、いざ制作するとなると「何から始めればいいのか」「収録する場所はどうするか」「どこに頼めばいいのか」etc…迷ってしまいますよね。
ナレーションのニーズが増えた理由として、YouTubeのような動画配信サイトの躍進をはじめ、SNSへの広告配信、企業プレゼンや社内向け動画など、幅広い方面で動画が身近になり、『ナレーション』 が生む効果や必要性を知る機会が増えたことにあると思います。
では、動画にナレーションをつける方法って、どんなものがあるのか。
今回は、ナレーション制作をするなら覚えておきたい『3つの基本』について、それぞれのメリット・デメリットを含めて、わかりやすく解説していきます。
目次
1.スタジオ収録
『スタジオ収録』とは、音声収録が可能な専門のスタジオで録音することを意味します。
いわゆる一般的なナレーションの収録方法ですね。安定した品質や納期、ナレーターや声優の手配などを一括で依頼できることもあり、多くの方がスタジオ収録を選択されます。
メリット
音質が良い
スタジオ収録の場合、プロのエンジニアが機材をコントロールして収録するため、プロフェッショナル品質での収録が可能。直接エンジニアが指示を出し、ノイズなどに注意を払いながら録音するのでクオリティの高さを維持できます。
ナレーターや声優の手配もお任せ
事前に依頼していない場合でも、ナレーションや吹き替え専門のスタジオであれば、ナレーターや声優と提携しているところが多いので、スタジオに相談して派遣してもらうことができます。
収録をモニターできる
オンラインやスタジオに同行して立ち会いをしながら、直接的に細かな指示を出すことが可能。後日、修正などに時間を割くことが手間が省けるので、スタジオ収録を採用している企業の多くは、この利点を重視している印象です。
一括で丸投げできる
ナレーターを選定してしまえば、後はスタジオ側が収録から整音まで行うので、細やかな作業まで丸投げすることができます。初めて依頼する方でも、わからないことはフォローしてもらえるという大きな利点があります。
デメリット
料金が高い
高品質なサービス、高価な機材、プロ仕様のマイクが完備されたスタジオの使用は、ほかの制作方法よりも制作費全体が高くなることがあるので考慮する点ですね。
注意点
「スタジオにも専門分野がある」
収録できるスタジオには、「ナレーション・アフレコ専門」「楽器・ボーカルレコーディング専門」というように、さまざまなタイプがあり、どのスタジオでもOKというわけではありません。
必ずそのスタジオの専門や得意分野を確認することが重要です。
映像とナレーションを同期して録音するMA(マルチ・オーディオ)収録の場合も、事前に可能かどうかを確認しておきましょう。
ポイント
品質重視、スピーディーさを求める方にオススメ!
利用のしやすさ:★★★★★
料金:★★
品質:★★★★★
満足感:★★★★★
2.宅録(自宅収録)
『宅録』とは、自宅での録音することを意味し、『音声の宅録依頼』とは、ナレーターや声優に宅録での音声収録を依頼することを指します。
特に在宅需要が増えた時期からは、ナレーション依頼ができるクラウドソーシングサイトも増えており、ナレーターの方に宅録で依頼するというスタイルが、個人や企業を問わず増加しています。
メリット
料金が安い
スタジオを借りる必要がないため、利用料やエンジニアなどの人件費がかからないなど、料金が安く抑えられます。
すぐ収録作業に入ることが可能
スタジオを借りず在宅で収録できるので、すぐに作業に入ってもらえることもでき、納品までスムーズに完了するメリットもあります。
気軽に依頼しやすい
急な依頼や原稿の変更があっても、収録場所や時間配分の心配が少なく、コスパ良く臨機応変に対応してもらえます。
豊富な機材や編集ソフトで音質もスタジオクオリティ
近年、録音機材もどんどん品質が向上しており、高音質な収録も可能で宅録の音質の面でのデメリットが年々減少しています。
編集スキルのあるナレーターの場合は、コスパが良い◎
ノイズ除去や整音などの音声編集ができるナレーターの場合、安定した音質をキープすることができるので、丸投げでも格安で依頼することができます。
デメリット
スタジオ収録より音質が劣る
これは、ナレーターの収録環境・機材・経験にもよりますが、基本的に宅録でサウンドエンジニアがいない場合は、スタジオ収録と比較すると音質面では劣ってしまいます。
長尺ナレーションを依頼する場合は、時間がかかることも
宅録でナレーション制作を請け負っている以上、割合的には少ないとは思いますが、防音環境が整っていない場合は、静かな時間を選んで収録するなどの制限があり、通常よりも時間がかかることがあります。副業でナレーター業をされている方もいるので、作業時間や納期については要相談となることも。
注意点
「技術を必要とする収録は要確認」
映像と同期した音声収録の場合、映像のタイミングに合わせながらナレーションを行なう必要があります。この収録方法は、ナレーター自身も映像との音声のタイミング確認など準備することがあり、通常録音より手間がかかります。宅録で対応できないナレーターも稀にいますので、事前に必ず確認しましょう。
「さまざまな収録スタイル」
宅録収録の場合は、ナレーターによって可能なことに差があることがあります。
「オンライン立ち会い収録」「通話で打ち合わせ」「○○文字までは即日納品可」など、人によってサービスに違いがあるので確認が必須です。
ポイント
コストパフォーマンス重視、納期に余裕がある人にオススメ!
利用のしやすさ:★★★
料金:★★★★★
品質:★★★
満足感:★★★★
3.AIナレーション
『AIナレーション』とは、AI(人工知能)を用いてナレーションを制作することを指します。
最近は、あらゆる媒体でAIナレーションを聞けるほど一般的になりました。
AIナレーションは棒読み感が強く、「ちょっとナレーションには厳しいかな?」といった印象でしたが、近年とても自然なレベルに改善されているようです。
メリット
少ない予算で制作できる
AIナレーションは、無料で使えるものからサブスクリプションで購入できるものまで、幅広い種類があり、コストを削減して制作することができます。
手軽に始められる
「とりあえず簡易的なナレーションを入れてみたい」という方も気軽に利用できます。
スケジュール調整が不要
スタジオ予約や宅録で依頼するとなると収録日程や納期までの待機時間がありますが、その場で生成できるAIナレーションにはタイムロスが全くありません。
ヒューマンエラーがない
人が作業する場合は、文字抜けや読み間違いなどのエラーが出ることもありますが、AIにはヒューマンエラーの心配はありません。
デメリット
日本語クオリティが低い
今後さらに発展するAIナレーションですが、世界でも難しいといわれる日本語においては、英語などの言語と比べると、まだ不自然な部分が少なくありません。
品質にこだわる方にとっては、アクセントが間違っていたり、抑揚がない、間延びして聞こえたりと、イメージに合わないこともあります。
ある程度の知識が必要
人と同じように自然なアクセントやイントネーションができないことがあるので、生成者側の調整作業が不可欠で、機能を使いこなせる多少の知識が必要です。
ポイント
予算重視、とりあえずナレーション挿入したい人にオススメ!
利用のしやすさ:★★★★★
料金:★★★★★
品質:★
満足感:★★★
まとめ
映像をより魅力的に仕上げてくれる『ナレーション』。
今回は、そんなナレーション制作で失敗しないためにも、知っておくべき3つの基本についてまとめてみました。
皆さんの希望に合う制作スタイルのほとんどが、この3つのどれかに当てはまるかと思います。自分が希望する予算や納期に合った制作手段を選んで、まずは1本制作することから始めてみましょう!