映像のテロップ・字幕・キャプションの違いとは?

テレビだけではなくSNSやYouTubeなど、映像コンテンツがあふれる今の時代。様々な動画に文字が入っているのが当たり前になりました。実はその視覚化された文字にもいくつかの種類があり、テロップ・字幕・キャプションはそれぞれ目的も制作方法も異なります。
この記事では、映像制作の現場でよく使用される文字表現について、わかりやすく整理します。

テロップ・字幕・キャプションの違い

テロップとは?

視覚的な演出と情報補足を担う文字

「テロップ」は、映像の上に重ねて表示される文字のこと。
番組名や出演者の名前、強調したいセリフやツッコミ、場所や金額など…いわば情報を補足したり、印象的に見せたりするための文字です。本来はテレビ用投影装置 “television opaque projector” に由来する言葉ですが、現在ではYouTubeやCM、企業PR動画などでも一般的に使われています。フォントや色、アニメーションなどを自由にデザインでき、映像の演出要素としての役割が強いのが特徴です。

字幕とは?

音声情報を補うための文字

一方で「字幕」は、音声で語られている内容を文字として視覚化するものです。外国語の映画の翻訳字幕だけでなく、日本語音声をそのまま文字にした字幕も含まれます。

目的は、「音声が聞こえづらい」「言語がわからない」などの状況でも情報を伝えることなので、聴覚情報を補助するための文字です。

キャプションとは?

話している内容以外の音声も文字で伝える

「キャプション」は、より包括的に音声を文字で伝えるものです。聴覚に障がいのある方や、音を出さずに動画を見ている視聴者向けに作られています。そのため会話だけでなく、BGMや環境音に加え、状況によっては話者もテキスト化します。
たとえば:

  • (ドアが開く音)
  • 〈♪アップテンポな音楽〉
  • (アナウンサー)こんにちは

つまり、字幕が「話している内容」だけを伝えるのに対して、キャプションは動画を理解するために必要な、効果音やBGMなどの音の情報も伝える文字なのです。

オープンキャプションとクローズドキャプション

キャプションには、視聴者が操作できるかどうかによって2つの種類があります。

オープンキャプション(Open Caption)

動画に文字を焼き付けてしまうタイプで、視聴者が表示/非表示を切り替えることはできません。SNSや広告動画など、自動再生で音声が流れないケースなどでよく使用されます。

クローズドキャプション(Closed Caption, CC)

視聴者が「CCボタン」「字幕ボタン」で表示/非表示を切り替えられる形式です。テレビに加え、NetflixやYouTubeなどの動画配信プラットフォームでもよく使われています。

どんな時にどの形式を選ぶべき?

映像の目的や視聴環境によって、最適な文字の形式は変わります。ここでは、シーン別にどんな形式を選ぶべきかを整理してみましょう。

映像を印象的に見せたい → テロップ

話の要点を目立たせたり、映像の雰囲気を盛り上げたりしたいときはテロップの出番です。
たとえば:

  • 出演者の名前やコメントを表示したい
  • 商品のキャッチコピーや価格を印象的に見せたい
  • トークのオチや笑いどころを強調したい

テロップはデザイン性と情報性の両立がポイントで、フォント・色・位置・動きを工夫することで映像にリズムが生まれます。

音声を正確に伝えたい → キャプション(字幕)

スマホ視聴のように音を出さない人が多い環境では、キャプションが必要です。また、教育映像や社内研修などでは、発言内容を正確に残すことが求められる場合もあります。

キャプションを入れることで、

  • 聴覚障がい者や外国語話者にも情報が届く
  • SEO的にも検索にヒットしやすくなる(YouTubeなど)
  • 視聴者の離脱率を下げられる

といった効果があります。音声情報を正確に伝えることで、コンテンツの理解度を高めるという点がキャプションの大きな価値です。

どんな環境でもキャプションを表示したい → オープンキャプション

SNSや広告、展示映像のように、視聴者が字幕操作を行わないケースでは、映像に直接文字を焼き付ける「オープンキャプション」が効果的です。

特に、以下のような状況では、常に文字が見えることでメッセージの伝わりやすさが大きく向上します。

  • 店舗やイベント会場などで無音再生される映像
  • InstagramやXでの自動再生動画
  • 外国語話者向けの展示会動画

また、テロップと同じようにデザインを調整できるため、情報性と演出性の中間としても活用できます。

字幕をON/OFFできるようにしたい → クローズドキャプション(CC)

テレビなど幅広い層の視聴者がいる媒体では、音声が聞き取りづらい方や、音声を出せない状況にいる方も想定されます。また教育動画や企業の研修映像、eラーニングなどでは、視聴者によって必要な言語や環境が異なります。そのような場合は、必要に応じて表示/非表示や言語の切り替えができるクローズドキャプションが最適です。クローズドキャプションは、後から修正が容易で、運用面での柔軟性も高いため、多言語展開や長期利用が想定される映像には非常に向いています。

ワイズ・インフィニティが字幕制作をサポートします

ワイズ・インフィニティでは、映画・ドラマ・企業動画・教育コンテンツなどにおける字幕翻訳・キャプション制作・ナレーション翻訳などを幅広く手がけています。

動画にどんな文字を入れるかは、視聴者への伝わり方を左右する大切な要素です。目的に合わせて、テロップ/字幕/キャプションを適切に使い分けることで、映像が「伝わるコンテンツ」となるお手伝いをいたします。

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