普段映画やドラマ、動画サイトの動画を視聴している際、「字幕」を目にする機会は少なくないでしょう。また、近年のグローバル化にともない企業のPR動画や新商品の紹介動画など、自社で作成した映像に他言語の字幕を付けたいと考えている方もいるかもしれません。
ただ、字幕翻訳には守らなければならないルールや専門知識があるため、字幕を制作するなら翻訳会社に依頼するのがおすすめです。
今回は、字幕翻訳で守るべきルールや制作の流れについて解説するとともに、字幕翻訳の制作を翻訳会社に依頼するメリットを紹介します。
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字幕翻訳とは
字幕翻訳とは、映像内の情報を翻訳する手法の一つです。日本語や英語、中国語、韓国語など、映像内の原語を残したまま画面上にターゲット言語に翻訳した文を表示させるものを指します。
字幕翻訳によって、オリジナルの映像や音響、音声などを保持したまま、原語に対して馴染みのない方にも映像の内容を理解してもらうことが可能になります。
字幕翻訳は映画やドラマで馴染み深い翻訳手法の一つですが、近年では企業や製品のPR動画など、ビジネスの分野でも幅広く活用されています。
字幕翻訳の4つのルール
冒頭でも述べたとおり、字幕翻訳には守るべきルールが存在します。ここでは、字幕翻訳のルールについて、代表的なものを4つ挙げて解説します。
字数制限
日本語の字幕を作成する場合、「動画1秒につき4文字以内にまとめる」という字数制限が設けられています。英語の字幕の場合は、1秒につきアルファベット12文字程度です。
これは、人が文字を読むスピードに基づいて設定された文字数です。従って、視聴者が映像を見ながら読み切ることができ、理解しやすい字幕を作るには、言葉を適切に選びながら翻訳し、規定の字数内に収める必要があるのです。
1画面に表示できる行数の制限
字数と同様、1画面に表示する「行数」にも一般的なルールが定められています。原則として、日本語の場合「1画面に表示する字幕の行数は2行まで」かつ、「1行につき13文字前後であること」がルールです。
従って、字数だけでなく、限られた行数のなかでどのように工夫して翻訳すれば、正しい意味やニュアンスが伝えられる翻訳文になるのか考える必要があります。
例えば、台詞にあっても映像で理解できる言葉は省略する、直訳ではなくより短い言葉に置き換えて翻訳する、などの技術を駆使するとよいでしょう。
補足
字幕翻訳の場合、原語を直訳しただけでは意味の伝わらない翻訳になってしまうケースが少なくありません。そのため、正しい内容を伝えるためには必要に応じて最低限の補足を追加することも、心がけるべきルールの一つです。
例えば、原語を使用する文化圏では共通認識となっている背景知識や文化をベースとした台詞の場合、文字通りに翻訳するだけでは意味やニュアンスが伝わらないことがあります。
したがって、適切な補足を追加できるようにするためには言語だけでなく、文化や社会情勢、歴史、トレンドなども理解していることが重要です。
言葉の言い換え
補足に加えて、映像内の状況に合わせて言葉の言い換えを行わなければならない場合があります。
例えば、直訳では前述した字数制限や行数の制限をオーバーしてしまうケースや、直訳では正しい意味が伝わらないケースなどです。また、文字の削除や補足を行っても適切な翻訳にならない場合も、別の表現に変えて字幕を作成する場合も少なくありません。
映画などの字幕を作成する具体的な手順
次に、映画などの字幕を実際に作成する際、どのような流れで進行するのか、4つの工程に分けて解説します。以下は、翻訳会社などが依頼を受けて字幕を作成する際の基本的な手順です。
①素材を揃える
まずは、字幕翻訳に必要な素材を揃えます。翻訳に必要なのは、おもに「映像」と「原語のスクリプト(台本)」の2つです。スクリプトが無い場合は、翻訳会社が映像を確認しスクリプトを書き起こします。
映像については、後述の工程で専用のソフトを用いるため、翻訳会社によって映像の形式が指定されている場合があります。そのため、発注する際は事前に形式の指定の有無について確認しておくとよいでしょう。
②スポッティング
字幕専用ソフトを用いて、映像中の音声に合わせて字幕を表示するタイミングや長さを決めていきます。この作業を「スポッティング」といい、見やすい字幕の制作には欠かせない作業です。
字幕の出るタイミングが不自然だと、視聴者に余計な負荷がかかってしまいます。そのため、ソフト上で基準を定め、フレームごとに丁寧に設定していきます。
③字幕翻訳
原語のスクリプトをターゲット言語(英語、中国語など)に翻訳し、字幕を作成します。前述した字幕のルールを遵守しつつ、視聴者や専門性に合わせて読み切れる長さで翻訳していくことが、字幕翻訳のポイントです。
例えば、英語字幕を視聴する人のなかでも、英語を母国語としているのか、英語を学ぶために教材として字幕を視聴するのかなど、その条件は異なります。
さらに、映像がどのような目的(学習、研究、ビジネス、娯楽など)で視聴されるのかによっても、翻訳時に用いる言葉遣いやトーンは変わってくるでしょう。
これらの条件を踏まえたうえで、誤訳のない正確かつわかりやすい字幕を作成することが求められるのです。
④チェック作業
最後に、制作した字幕をチェックしていきます。誤訳の有無はもちろん、フォントサイズや文字量、視聴者への配慮、適切な補足がきちんとできているかなど、チェックすべき箇所は多岐にわたります。
チェック作業ののち、修正が無ければ完成です。完成した字幕データは顧客の指定の形式で納品されます。要望によっては、映像に字幕を焼き付けた上で納品することもあります。
英語字幕の制作は翻訳会社への依頼がおすすめ!依頼する4つのメリット
英語字幕の制作を検討しているのであれば、翻訳会社に依頼するのがおすすめです。ここからは、字幕の制作を翻訳会社に依頼するメリットを4つ紹介します。
高品質な翻訳が確保できる
翻訳会社には、専門知識を備えたプロの翻訳者が多数在籍しています。そのため、翻訳会社に字幕制作を依頼することで、正確かつ高品質な翻訳を確保することが可能です。
加えて、多くの翻訳会社では、翻訳が終わってからネイティブスピーカーによる校正作業や原語と翻訳後の内容を照らし合わせて確認する工程を踏んでいます。これらの校正やチェックを行うことで、誤訳がなく客観性や公平性を備えたわかりやすい翻訳が仕上がります。
専門知識とプロの技術による翻訳、チェックを経た品質の高い翻訳が得られるのは、翻訳会社ならではのメリットといえるでしょう。
英語を含めた多言語に対応できる
多くの翻訳会社では英語だけでなく中国語や韓国語、ベトナム語といったアジア言語、フランス語やドイツ語、イタリア語といったヨーロッパ言語など、幅広い言語に対応しています。
そのため、英語はもちろん「中国語にも翻訳してほしい」「ドイツ語版の字幕も作りたい」といった要望を叶えることが可能です。他言語の場合も、ターゲット言語のプロにより翻訳されるため、高品質な翻訳が確保できる点も嬉しいポイントといえるでしょう。
細かいニュアンスまで正確に伝えられる
翻訳に対して知識が浅い方の翻訳や、翻訳サービス、アプリによる翻訳は、ときに細かいニュアンスを正確に訳すことが難しい場合があります。
一方、プロの翻訳者による翻訳は豊富な知識と高い技術による幅広い表現力が強みです。そのため、一見しただけでは表現することが難しいニュアンス、映画であれば登場人物の口調などの細かな部分まで正確に把握し翻訳することが可能です。
翻訳会社の選択肢が多く、納得したうえで依頼することができる
翻訳会社には、分野や言語が異なるさまざまな字幕制作の実績を持っている会社が少なくありません。
そのため、制作を依頼する会社を選ぶ際、幅広い視点から検討、納得したうえで依頼の可否を決めることが可能です。
例えば、発注を検討している映像と似た内容の字幕制作の実績があるか、発注予定の分野に強い翻訳者が在籍しているかどうかなどが挙げられます。これらを事前に問い合わせ、納得したうえで発注を進めることができる点は、依頼を検討するうえで心強い要素といえるでしょう。
使用用途に応じたアドバイスを受けることができる
翻訳会社のなかには、ただ映像の字幕翻訳を請け負うだけでなく、顧客の希望に応じて最終的な使用用途に応じた進行や納品形式に関するアドバイスを行なっている場合もあります。
例えば、翻訳や字幕制作を発注するのが初めてのケースでは、どのようなスケジュールで発注すればいいのか、目的に合わせた納品形式はどれなのかわからない方も少なくないでしょう。
その場合、翻訳会社の実績や技術に基づいた的確なアドバイスを受けられる点は、翻訳会社ならではのメリットといえます。
業務効率化やコスト削減につながる
なかには、翻訳会社へ依頼せず、社内で英語の翻訳サービスやアプリなどを活用して字幕制作を行おうと考えている方もいるかもしれません。ただ、翻訳サービスやアプリの精度は年々高まりつつあるものの、いまだ誤訳の発生はゼロではありません。
加えて、字幕の制作には前述のとおりスポッティングソフトなどの専用のソフトが必要になるため、翻訳や字幕制作に慣れていない場合、通常業務の圧迫や余分なコストの発生につながる恐れがあります。
その点、翻訳会社へ英語の字幕制作を一任することで、誤訳を防ぐだけでなく、クオリティの向上や完成までの時間短縮が期待できます。
さらに、業務委託による従来の業務の効率化に加え、ソフト購入などのコスト削減にもつながる点は、大きなメリットといえるでしょう。
まとめ
字幕翻訳には字数や行数の制限、補足の使い方や言葉の言い換えなどルールが定められているため、字幕を制作するにはこれらのルールを守ることが不可欠です。
翻訳会社への字幕制作の依頼は、依頼者が上記のルールをはじめとした翻訳に関する知識がなくとも、高品質な翻訳が確保できます。
また、英語だけでなく多言語に対応できる点も心強く、業務効率化やコスト削減のメリットも得られます。
そのため、字幕翻訳の制作を検討しているのであれば、翻訳会社への依頼がおすすめといえるのです。
そして、もし現在字幕翻訳の制作を翻訳会社に依頼しようと検討しているのであれば、ぜひワイズ・インフィニティにお任せください。ワイズ・インフィニティでは、映画やドラマ、企業様のPR動画など、さまざまな分野での字幕翻訳の実績があります。
さらに、ワイズ・インフィニティでは「映像編集」の要望にもお応えしています。字幕と映像、どちらも依頼したいというお客様にご満足いただける編集を実現していますので、ぜひお気軽にご相談ください。
“言語”だけでなく“想い”を翻訳する会社
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