放送翻訳とは?具体的な仕事内容や依頼するメリット

翻訳にはさまざまなものがあり、そのなかの一つに「放送翻訳」があります。しかし、放送翻訳と聞いて細かい仕事内容が思い浮かぶ方は少ないかもしれません。

ここでは、放送翻訳とは何か、その具体的な仕事内容や放送翻訳として求められるスキルなどについて説明します。併せて、放送翻訳を外部に依頼するメリットや依頼時の流れについても解説するので、テレビ局関係者の方などはぜひ参考にしてください。

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放送翻訳とは

放送翻訳とは、おもにテレビ番組の制作現場で求められる外国語の翻訳関連業務です。外国に関する内容のテレビ番組を制作する際は、その国の言葉に精通した翻訳者のサポートが必要になります。

本来の言葉の意図を正しく伝えるために、また外国語を視聴者に理解しやすい日本語にして伝えるためにも、放送翻訳は非常に重要です。

放送翻訳の仕事内容

放送翻訳の仕事は、テレビ局や編集所などの現場で行う場合と、自宅で行う場合があります。

具体的な仕事内容を見ていきましょう。

映像翻訳

放送翻訳のなかでもメインとなる仕事です。海外のニュース映像やハプニング映像など、テレビ番組で流す映像を見ながら翻訳します。翻訳する素材にはタイムコードが表示されるため、対象部分のタイムコードを書き留めながら翻訳を進めます。

文書翻訳

文書翻訳は、海外の新聞や雑誌、インターネット上の記事や本などの情報を翻訳する仕事です。番組で使う素材自体の翻訳だけではなく、取材を申し込む際の書類作成など、日本語から外国語に翻訳する場合もあります。

通訳

放送翻訳の仕事のなかには、通訳が含まれることもあります。例えば、海外取材に同行して通訳する、インタビューの際にカメラに映らないように通訳する、などが挙げられます。

リサーチ

リサーチは非常に幅広く、番組で扱うトピックに関するさまざまなことを調べる仕事です。

具体的には、以下のような依頼を受けてリサーチを進めます。

「イタリアのスポーツ選手の情報が書かれている記事・サイトを見つけてください」

「最近話題になっているメジャーリーガーの○○についての記事を集めてください」

「取材を申し込みたいので○○という人の連絡先や詳細をリサーチしてください」

ざっくりとした依頼もあり、インターネットでのリサーチで済むこともあれば、現地に電話などをして直接コンタクトをとることもあります。

また、リサーチして入手した写真や素材を使用して良いかの交渉、情報の裏どり、番組で扱うテーマに沿った海外のネタ探しなども重要な仕事の一つです。

放送翻訳が必要な5つの場面

放送翻訳は、どのような場面で必要とされるのでしょうか。おもに放送翻訳は、次のようなコンテンツを扱うときに求められます。

海外のインタビュー記事・映像

海外の俳優やスポーツ選手、現地の事件関係者などのインタビュー記事・映像を日本語で放送するには、放送翻訳の力が欠かせません。緊急対応の場合などは、複数人で1つの記事・映像の翻訳を行うこともあります。

海外のニュース記事・映像

海外で流れているニュース記事や映像は、現地で起こっていることをいち早く伝えるコンテンツです。現地でどのような報道をされているか、正しく分かりやすく視聴者に届けるために適切な翻訳が求められます。

外国語での電話インタビュー(テレピック)

外国語での電話インタビューのことをテレピックと呼びます。ニュース番組などで、外国の方と電話でつないだ状態で、取材をしている様子を見たことはないでしょうか。テレピックの制作時にも放送翻訳の力が役立っています。

なお、テレピックでは相づちを打たずに、取材相手の言葉が聞き取りやすいよう配慮してインタビューを行うことが一般的です。

海外の面白映像・事故映像

海外のつい笑ってしまうようなハプニング映像や面白映像、スケールの大きな事故映像などの放送を見たことある方も多いでしょう。このようなコンテンツの放送翻訳では、形式的な翻訳ばかりではなく、ユーモラスな文章に翻訳するスキルも大事です。

海外のテレビ番組紹介

なかには、海外のバラエティ番組を取り上げるなど、テレビ番組自体の紹介をすることもあります。初めて見る人でもどのような番組なのか理解できるよう、分かりやすくかつ正しく翻訳することが求められます。

放送翻訳で求められる4つのスキル

放送翻訳を行う際は、おもに以下のような要素が重視されます。

高度なリスニング力

当然ですが、映像を見て内容を理解し、適切な日本語に訳していくには相応のリスニング力が必要です。テレピックや現場でのインタビューでは、リアルタイムで正しく聞き取れることが大事なので、高い集中力も求められるでしょう。

日本語でも人によって話し方やアクセントが異なるように、外国語でも人によってクセの違いなどがあります。放送翻訳をこなすには、幅広い場面でのリスニングに慣れていることが重要です。

幅広い知識と専門的な知識

放送翻訳で扱うジャンルは多岐にわたります。対象となるジャンルに関する知識がないままだと、適切な翻訳ができない可能性も十分にあるでしょう。例えば、野球選手のインタビュー映像であれば、ある程度野球のルールや常識を把握していないと、何を言っているのか理解できません。

幅広い知識と、特定のジャンルに関する専門知識の両方があると、さまざまなジャンルに対応できます。

バリエーション豊かな意訳

ニュースやシリアスな内容を扱う場合はフォーマルな日本語へ翻訳しますが、なかにはハプニング映像や面白映像など、視聴者を笑わせるような内容の翻訳もあります。このようなユーモアを含んだ翻訳をする際には、ただ言葉通りに日本語にするのではなく、イマジネーション豊かな意訳をできることが大事です。

リサーチ力

リサーチでは、テーマや依頼をもとに幅広く情報を集める必要があります。情報が不足していたり、リサーチの方法が適切でなかったりすると、欲しい素材までなかなかたどり着けません。

また、翻訳もさまざまな分野のネタがあるため、都度リサーチをして、内容をよく理解する能力が求められます。

放送翻訳を依頼するメリット

語学が堪能なスタッフがいれば放送翻訳を外注しなくても良い、と思われるかもしれません。しかし、放送翻訳を専門の会社に依頼するメリットは十分あります。

具体的なメリットは、以下のとおりです。

業務の効率化につながる

翻訳、リサーチは「○○時間で終わる」というものではなく、場合によっては非常に時間のかかる作業です。特にリサーチは、苦労して素材を見つけたあと、写真や動画の使用交渉をしなければならないこともあります。このように時間のかかるリサーチ、翻訳を外注することで、制作現場の業務を効率化することが可能です。

細かい部分まで指示できる

現場へ翻訳者が伺って業務を行う場合、制作現場のディレクターなどが直接指示を出しながら進めることができます。制作したい番組の雰囲気や、探してほしい素材の内容など、細かい部分までプロの翻訳者に指示できるため、制作の意図とズレがない放送翻訳になります。

放送翻訳を依頼する流れ

放送翻訳を実際に依頼するには、どのような手順を踏めば良いのでしょうか。ここでは、ワイズ・インフィニティにご依頼いただく際の流れを説明します。

ただし、細かい工程は依頼する会社によって異なることもあるため、事前によく確認しておいてください。

  • 問い合わせ

まずは放送翻訳業務を行っている会社に、問い合わせましょう。ワイズ・インフィニティの場合、お問い合わせフォームを設置しているので、専用フォームからお気軽にお問い合わせ可能です。営業時間内であれば、電話でのお問い合わせも受け付けております。

  • ヒアリング

メールや電話などでのヒアリングを通して、どのような作業を依頼したいのかを明確に伝えます。ワイズ・インフィニティでは、もっと細かい部分まで詰めたいという場合に、ミーティングの時間を設けることも可能です。

  • 発注

依頼する作業範囲が明確になったら、具体的な料金や制作スケジュールを含めた見積もりが出ます。各条件に問題がなければ、正式に発注となります。なお、この時点で疑問点がある場合は遠慮なく質問し、不安を解消しておきましょう。

  • 字幕制作

ヒアリングの内容に沿って、適切な翻訳者がアサインされ、実際に作業が進みます。この字幕制作には、素材探しや使用交渉、取材の翻訳などさまざまな工程が含まれています。

  • 納品

依頼された作業がすべて終われば、完成品の納品となります。

まとめ

放送翻訳はあまり聞きなじみのない言葉かもしれませんが、海外に関する内容を扱うテレビ番組を制作するうえでは、欠かせない仕事の一つです。

放送翻訳の具体的な仕事内容は、映像翻訳・文書翻訳・通訳・リサーチなど、多岐にわたります。放送翻訳には、高いリスニング力など単なる語学力だけではなく、シーンに合わせたバリエーション豊かな翻訳ができるか、クライアントが求める情報にたどり着くリサーチ力があるか、などのスキルも求められます。

そのため、放送翻訳が必要な際は、専門の会社に依頼することがおすすめです。

ワイズ・インフィニティでは、30分のニュース映像の翻訳を1日で行ったり、番組で使用する写真の使用交渉や、写真の使用許可申請の代行を行ったりなど、多くの実績があります。放送翻訳の依頼を検討している場合は、ぜひワイズ・インフィニティにお任せください。

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