通訳者になるには、何から始めればいいか迷っていませんか?英語力は必須だと理解していても、求められるレベルや、実際の働き方についてはイメージしにくいものです。
準備不足のまま通訳者になろうとすると、せっかく努力しても遠回りになってしまうかもしれません。最短で通訳者になりたいのであれば、信頼できるスクールに通うのがおすすめです。
この記事では、通訳者になるために必要な英語力や、学習方法を解説します。どんな能力を何のために伸ばすのか理解し、自分に合った学び方を見つけられるでしょう。通訳者になる夢を叶えるために、ぜひ参考にしてみてください。
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目次
通訳者になるには高い英語力が必要
通訳者に求められるのは高い英語力です。具体的にどの程度の英語力が必要なのか、3つの観点から解説します。
- 最低ラインはTOEIC900点
- 通訳者に高い英語力が求められる理由
- 通訳者が必要とされる具体的な場面
それぞれ見ていきましょう。
最低ラインはTOEIC900点
通訳者を目指すなら、TOEIC900点は最低ラインとなります。
通訳者に求められる英語力は非常に高く、専門的な内容を正確に理解して訳す力が必要です。TOEIC900点は、ビジネスや専門分野でも十分に対応できるレベルの英語力を持っていることの証明になります。
日常英会話が得意なレベルだと、重要なニュアンスを取りこぼす可能性があります。通訳者になるために英語力を高めるのであれば、まずはTOEIC900点以上を目標にするのがおすすめです。
通訳者に高い英語力が求められる理由
通訳者には、高い英語力が求められます。異なる言語を話す人の間に入り、リアルタイムで正確なコミュニケーションを行う必要があるからです。
そのためには言葉の意味だけでなく、話し手の意図やニュアンスをしっかりと理解し、適切に通訳する必要があります。また、通訳では誤訳が許されない場面が多く、正確さも非常に重要です。
例えば国際会議やビジネス交渉の場では、専門用語や業界特有の表現が飛び交います。微妙なニュアンスを逃さず訳す能力が、話し合いを成功させる鍵となるでしょう。
通訳者の仕事の場面では、正確さと速さが求められるのです。
通訳者が必要とされる具体的な場面
通訳者が必要とされる具体的な場面は以下の通りです。
- 多国籍企業の製品説明会
- 外交会談や国際会議
- 海外出張時のビジネス交渉
- 映画祭や国際的なメディアイベント
- 多国籍企業の社員研修
- 国際学会での研究発表
- 海外での災害支援活動
上記のような直接会話するシーンだけではなく、放送時の通訳や、オンライン会議での通訳なども需要があります。
外国人との関わりは日常的となっており、多くの場面で通訳者が必要とされています。
現場で実際に行われる通訳の方法3選
現場で行われる通訳には、主に3つの方法があります。状況やニーズが異なると、最適な通訳の方法も変わるからです。通訳者には、現場の状況に合わせた通訳方法の使い分けが求められます。
具体的な通訳の方法は以下の3つです。
- 同時通訳
- 逐次通訳
- ウィスパリング通訳
それぞれ解説します。
同時通訳
同時通訳は、話者が話しているのとほぼ同時に通訳する方法です。通訳者は話者の言葉を聞きながら、即座に内容を理解し、別の言語に変換する能力が必要となります。
同時翻訳は非常に高い集中力が必要となるため、長時間の通訳は難しいのが特徴です。そのため複数の通訳者が交代で対応します。
また、同時通訳では防音ブースで作業を行うのが一般的です。ヘッドホンで話者の声を聞きながら、マイクを通して通訳音声を送ります。
同時通訳が必要となるのは、参加者の多い国際会議やシンポジウムなど、スピーディーな進行が求められる場面です。遅延なく通訳音声を聞けるため、会話が途切れることなく進められます。
近年では、オンライン会議でも同時通訳が広く利用されており、パソコンやスマートフォンを通じた通訳も増加しています。
逐次通訳
逐次通訳は、話者が発言を区切るたびに通訳する方法です。話者と通訳者が交互に話すので、より正確なコミュニケーションとなります。
逐次通訳は同時通訳より丁寧に訳せるので、速さよりも正確さが重要です。また少人数で会話する場面で使われる傾向があります。
ビジネスの商談や専門的な会議でも、逐次通訳が頻繁に用いられます。例えば、企業間の契約交渉では正確さが求められるので、同時通訳よりも逐次通訳が選ばれやすいです。
ウィスパリング通訳
ウィスパリング通訳は、通訳者が聞き手の背後や隣に位置し、小声で直接訳を伝える方法です。同時通訳と似ていますが、通信機器や防音ブースが必要ありません。
ウィスパリング通訳が活躍するのは、少人数の会議や商談、単独インタビューなどスピード感が求められる場面です。
例えば、国際的なビジネスの場で、外国人参加者が少ない場合はウィスパリング通訳が利用されます。他の会話の流れを妨げることなく、コミュニケーションが円滑になります。
通訳者になるための学習方法
通訳者を目指すなら、基礎的な学習に加えて、実践的な訓練ができる学習方法を選ぶのがおすすめです。通訳者には高い英語力と迅速な思考力が求められるため、専門的な訓練が必要となります。
通訳者になるための学習方法に関して、以下の視点から解説します。
- 自己管理ができるなら独学でも可能
- 通訳者になるための具体的な英語学習
- 多くの通訳者はスクールを利用
それぞれ見ていきましょう。
自己管理ができるなら独学でも可能
通訳者になるには、必ずしもスクールに通う必要はありません。
独学であれば、時間や費用の面での制約が少ないため、長期的な学習計画を立てられます。また自分の強みや弱みを把握し、必要なスキルを重点的に磨くことも可能です。
ただし、独学には強い意志と計画的な取り組みが必要です。自己管理がしっかりしていないと、途中で挫折する可能性があります。
定期的に自己評価を行える仕組みを取り入れたり、フィードバックを受けられるコミュニティに所属するのも良いでしょう。
通訳者になるための具体的な英語学習
通訳者になるためには、まず逐次通訳ができるレベルを目指すのがおすすめです。
逐次通訳では英語を聞きながらメモして、メモをもとに通訳します。メモ取りを重点的に行うわけです。
しかしスキルが高まっていなければ、リアルタイムで英語を理解してメモをするのは難しいでしょう。そのため以下の学習方法も並行して行うのがおすすめです。
学習方法 | 説明 | 期待される効果 |
シャドーイング | 英語音声を聞きながら、内容を即座に復唱する練習 | リスニング力と発音の向上、迅速な反応力の養成 |
リプロダクション | 聞いた内容を自分の言葉で再構成して話す練習 | 情報の整理能力、正確な伝達力の向上 |
サイトトランスレーション | 英文を語順通りに訳していく練習 | 訳出スピードと理解力の向上、文法と語順の理解強化 |
英語を聞きながらメモできるようになれば、逐次通訳にも挑戦できるようになります。
多くの通訳者はスクールを利用
多くの通訳者は、専門のスクールを利用してスキルを磨いています。専門的なスキルの習得と人脈作りができるからです。
スクールのメリットはプロの講師から実践的な通訳技術を学べるだけではありません。
同期生や講師とのつながりが仕事の機会を広げることにもつながります。またスクールの卒業生は通訳派遣会社に所属しやすくなり、キャリアの基盤を作りやすいです。
対して独学の場合は人脈を築けないので、仕事を受注する難易度も上がります。通訳者として成功したいのであれば、スクールを利用するのが近道です。
通訳者の働き方は企業勤めかフリーランス
通訳者の働き方は、企業勤めかフリーランスのいずれかです。それぞれの働き方には異なる特徴と利点があるため、個人のライフスタイルやキャリアプランに合わせた選択が重要です。
通訳者の働き方について以下の視点で解説します。
- 企業に勤めた場合の通訳者の働き方
- フリーランスの翻訳者の働き方
それぞれ見ていきましょう。
企業に勤めた場合の通訳者の働き方
企業に勤める通訳者は、組織内で多様な業務をこなす働き方が求められます。
定期的な会議や国際的なプロジェクトに参加し、社内のコミュニケーションを円滑にする役割を担います。
企業特有の業界知識を深める機会が多く、安定したキャリアパスの構築が可能です。
例えば、国際的な製造企業に勤める通訳者は、海外のパートナーとの会議や契約交渉の場で、技術的な専門用語を含む通訳を担当します。技術的知識や業界の専門性が身につき、企業の重要なプロジェクトにも関われる可能性が高いです。
企業勤めの通訳者は、安定した収入と専門性を高めつつ、長期的なキャリアを築きたい人にとって魅力的な選択肢となります。
フリーランスの通訳者の働き方
フリーランスの通訳者は、自由度が高い働き方です。
フリーランス通訳者は、自分のペースで仕事を選び、スケジュールを管理できます。多様なクライアントからの案件に取り組めば、幅広い経験を積めるでしょう。
また、収入の上限が高く、努力次第で高い報酬を得ることも可能です。例えば、医療や法律など特定の分野に特化して専門性を高めれば、より高単価の案件を受注できます。
フリーランスの通訳者は働く時間や場所を自由に選べるため、ライフスタイルに合わせた働き方ができるでしょう。
企業勤めとフリーランスのメリットデメリット
企業勤めとフリーランスには一長一短があります。価値観やライフスタイルに合わせて方向性を定めるのがおすすめです。
企業勤めとフリーランスのメリットデメリットを以下の表にまとめました。
働き方 | メリット | デメリット |
企業勤め | ・安定した収入と福利厚生・定期的な仕事の保証・昇進やキャリアアップの機会 | ・勤務時間と場所が固定・柔軟性が少ない・特定の業界や分野に限定されやすい |
フリーランス | ・自由なスケジュール管理・幅広い案件に挑戦可能・働く場所や時間を自由に選択 | ・収入が不安定・仕事の獲得が自己責任・福利厚生がない・自己管理が必要で孤独になりやすい |
通訳者になってどのような働き方をするのか、早い段階からイメージしておくと良いでしょう。
まとめ:通訳者になるには働く場面をイメージしよう
通訳者になるために必要な英語力や、学習方法を解説しました。通訳者は高い英語力だけでなく、場面に応じた対応力が必要です。
通訳者が働く場面をイメージできれば、学習方法も定まってきます。独学での学習も可能ですが、失敗したくない場合はスクールに通うのがおすすめです。
通訳者の働き方はさまざまです。ぜひともあなたにぴったりの働き方を見つけてみてください。
“言語”だけでなく“想い”を翻訳する会社